GRAPEVINE SPRING TOUR at.LINE CUBE SHIBUYA ライブレポ

音楽

こんにちは、びばおです!

今日は3月22日(土)に行われたGRAPEVINEのSPRING TOUR at.LINE CUBE SHIBUYA 2日目のライブレポートをお送りします!

私としては今年初のGRAPEVINEのライブ、ということで非常に楽しみでしたが・・・やはり

最高でした!

それではMCごとに一幕として綴っていこうと思います!

会場〜開演前

30分前程に会場に到着。ホールだと開演ギリギリまでウロウロと出来るところが良い。お手洗いを済まし、ありがたい喫煙所でタバコを吸い、一応物販をチェック。ほとんど売り切れていたので諦めて席へ。相変わらずの奇妙なSE(今回はそれほどだったかもしれないけれど、以前は女性の喘ぎ声みたいなのが延々流れていた時もあった)を聴きながら妻と2人、時間まで読書。GRAPEVINEのライブ前は、読書してる人が多いような気がする。残念ながらソールドアウトとはならなかったみたいだけれど、それでも徐々に2000人ほど入るホールは人で埋め尽くされてきた。ドストライクは私より少し上の世代だろうけど、20代であろう若者たちも結構いて、相変わらず年齢層の幅が広い。控えめな性格の人が多いのか話し声もヒソヒソ聞こえる程度でガサガサと何か荷物のようなものが擦れる音やホールを行き交う足音などの方が目立ってきこえてくる。話し声が少ないのは「おひとりさま」が多いからなのかもしれない。いかにも「バンT着てきました!」というよりは、上手にファッションの1つとして溶け込むように着こなしていたり、上から上着を着ていたりとどこまでも控えめなGRAPEVINEファン。かく言う私も以前買った「HUMAN NATURE」のTシャツはオーバーオールに隠れて文字のほとんどが隠れてしまっていたけれど。

さて予定時刻の17時を回ったところでSEが大きくなり暗転。メンバーがやって来た。

第1幕

さて1曲目は今の所の最新アルバム「Almost there」のラストの曲である「SEX」。意外すぎる選曲によって一気にライブの世界に引き込まれた。一発目ライブに引き込もうとするヒットナンバーでもアップテンポな曲でもなくローテンポの優しくも影のあるトラックを重ねたこの1曲。相変わらずの天邪鬼バンド。会場全体もその空気感をしっかり受け入れている。やってくれたなと思いながらもファンの懐の深さよ。さて曲。音源に比べ「歌」より「言葉」を意識したようなボーカルに、この曲で歌う多様性への強いメッセージを感じずにはいられなかった。最近はメッセージ色が濃くなったというか、以前よりもわかりやすい表現になっているように思う。トランプ大統領がLGBT施策撤回に踏み切ったことに対する異議としての「1曲目」なのかなんてことも思ったりもした。はてわかりませんが、そうだとしてもこの方達絶対そんなこと言いませんが。

そんな落ち着いたテンポが続くかと思いきや白シャツの袖をめくり、「Are You Ready?」と煽り始める。「Ready to get started」だ。この振り幅で一気に会場のボルテージも高まる。以前はこの曲をやる時はジャズマスターだったかと思うけど今日は違うギター。ちょっと見えなくて何かわからなかったけど、黄色で少し小ぶり。ジャズマスター、重いっていっていたから、変えたのかもしれない(笑)

3曲目は「ねずみ浄土」。きっと彼らのお気に入りなのだろう、最近は必ずやる。コーラス、どんどん上手になって行ってるねーなんて思っていたら最後のコーラス、田中さん演奏に夢中でうっかりギリギリセーフで危うく間に合わないところでした。さてさてここまでをみてても思ったけど今日、ご機嫌なのかもしれない。

4曲目「雀の子」。今日はまさに4時からオープン5時からハッピーアワーなわけで。どぎつい関西弁、「おんどれ、おんどれ、おんどれ」と囃し立て、サビ前のノイジーなギターからの爆音で一気に鳥肌が立つ。うん、やっぱり今日、ご機嫌です。

第2幕

天使「たん」の話題を話したくせに「今日やるかわかないけど」と意地悪言うけど、いや、やるでしょ?絶対やるでしょ?からの金谷んの不気味なベースラインから始まる「ナポリを見て死ね」から「ポートレート」、「リトル・ガール・トリートメント」、「想うということ」、「南行き」とアルバム「Here」からの5曲。そういえば「Here」発売から25周年ということをすっかり忘れていた。

さてこのアルバム、実はタイムリーに聞いてこなかった1枚だ。1stから好きでずっと聞いてきたけどこのアルバムは割と最近になるまであまり聞き込んでいなかったがそれがなぜなのか、今回のライブで聴いてわかった気がする。それは、その当時の私にあまりにも「思い出」がなかったからのように思う。このアルバム1曲1曲には、懐かしさがあり後悔があり刹那的で2度と戻ることのない甘く切なく照れ笑いの「誰かとの思い出」を感じたのだ。それは良い思い出もあり嫌な思い出もあるのだろうけれど、「思い出」だ。このアルバムが出た当時私は17歳であり、思い出に耽るのではなくその目の前にあるものだけに手を伸ばしている年齢だった。過去を懐かしむのでもなく未来を憂うのでもなく、今が全てだった。今目の前にいる人が全てだった。それはポートレートという「写真」にすらなっていないものだった。このアルバムからノスタルジアを感じるといったそんな直線的な感覚はないけれど、感覚的にそう思えたのだ。誰かとの思い出の「誰か」がポートレートとして残ったその時になって初めて、このアルバムに寄り添えるのではないか。25年という時がたち、振り返れば思い出がたくさん転がっている、今だからこそ。

さて演奏はというと音源ままを踏襲しながらも少しBPM落としたのかな?印象としてはより重厚、深みを増していてそこに当時より太く音圧もました田中のボーカルが混ざってなんといったらいいか控えめに言って最高でした。

第3幕

ギターを持ってないから察するよね。「天使ちゃん」ならぬ「天使たん」がついに!

このライブに行こうと腹に決めたこの曲のリリースから2ヶ月、それ以上にいずいぶん長いこと待った気がする待望の1曲。あざす。直情的にトーキングブルース。まさに天使の詩。最近の世を思いっきし風刺、「天からの思し召し!」と歌う様は、(まさにこりゃ啓示だわ)と完璧にノックアウトされた。前日はブルースハープ落っことしたようですが今日は、大丈夫でしたね(笑)

からの「こぼれる」。私の中で今日1のベストアクトでした。何せアレンジが凄まじい!音源のギター一本とコーラスの重ねがけももちろん良いのだけれど、今日のアレンジはとにかく没入感がとてつもない。トラック的なリズムから徐々にバンドサウンドにシフト。どんどん脈拍を早めさせるようなグルーブ。でもいざ手首に指を当ててみるとむしろ普段より脈、ゆっくり打ってるな、っていう感覚。なんじゃそりゃ。手首に指、当ててないけど。感覚よ、感覚。この1曲のために6,500円支払っても、いいよ。

そんな依存症になりそうな曲の後に青春の味三ツ矢サイダーのような「ジュブナイル」、コーラ片手に「B・D・S」。あ、勝手なイメージです。あぁ、私ライブに来てたんだと思い出させてくれる2曲の後に「LOSS(Angels)」でしんみり。左右の揺さぶりが激しくてあっという間に3幕終了と相成りました。

第4幕

どうやらあと60兆(億だったかな)曲あるということで一生聴いていられそうです。テンション高めな手裏剣アクションからの「NINJA POP CITY」。やはり今日は特にご機嫌である。ライブと関係ないけれど、この曲のジャケットめちゃくちゃかっこいいよね。アメコミ風のイラストとフォントで。世間の忍者への雑な認識をこんな感じで表現したのかなって。でも忍者的にはそんな感じの認識でしめしめ、的な。で、今やみんな大好き「ミ・アモーレ」じゃなくて「実はもう熟れ」。この言葉の選び方が、GRAPEVINEって感じでいやらしいよね。江戸のアモーレたち、みんなうっとりしていました。

そんな恍惚感も束の間の「25」。これは私個人的にすごく聞きたかった曲で、まさかやってくれると思っていなかったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。原曲の軽快さとはまた違ったずっしりと腰の座ったグルーブ、隙間のない音の重なりに圧倒されました。「実はもう熟れ」とは全く違うダンサブルナンバーに流石の幅の広さを感じた。ん?25?これも「Here」25周年にかけた選曲なのかな?

そして「白日」。2曲続けての「Life time」からのナンバー。泥臭さの残るロックナンバーだけど、古臭さは感じない。それはきっと、彼ら自身が進化し続けているからだろう。矢吹丈が言ってた。同じ曲でも「毎回新曲」なのだ(わかる人はわかる)。古くなるわけがない。

後2曲。続いては「Gifted」。変拍子のドラムが響く。謎めいたシンセサイザー、行き場のないギターの音色。タイパ重視の世で1分超えるイントロ、うん、天邪鬼。でも聴いてごらんなさいよ、いい曲だから。演出も相まってより神々しくさよならを告げ、最後の曲「Here」へ。

前述したある意味での「思い出補正」もあり私個人的には過去最高の「Here」に。サウンド的にはこれもやっぱりBPM落としてるような気がします。それが名曲をより名曲に。後悔だけはするなよって、でも後悔することを恐れるなよって、後悔したものが、後悔することを恐れたものが、そっとではなく強く、押し出すように背中を押してくれるようなこの曲。最後の最後まで田中の声は化け物でした。

アンコール

アンコールはさらっといきますよ!

まずは棘に毒。亀井ちゃんのお得意、メロディで落とす曲です。これがあるからGRAPEVINEだね。田中の作る曲は突拍子もないし(褒めてる)、兄貴の曲もめちゃいいんだけどだからこそもっと作ってくれ(笑)結局どうしたいのか、どう思ってるのか謎めいた歌詞も、色々と考察しがいが。で結局どっちなの?忘れたの忘れられないの?欲しいの?いらないの?

2曲目は妻待望の「羽根」。Hereからフィーチャーしたセットリストなのにここまでやらないなんて!と思ってたらここで来ました(笑)3曲目もHereから「Reverb」。25年前よりも荒々しさを増した「Reverb」。「目を閉ざしてー」の「ざ」!え?わかる?わからないの?この「ざ」だけでもいいのよ、この曲は。

ラストは定番「Arma」。兄貴がSG持ったらもうみんな、わかるよね?ってことで大団円です!

GRAPEVINEはライブバンド!

あっという間におおよそ2時間30分たち終幕となりました。

今日はみんな2日目ということもあったのかリラックス&テンション高めでいつもみる顔とは違うというか、いつもより笑顔マシマシ、兄貴のピック投げもマシマシなライブでした。

改めてGRAPEVINEはライブバンドだなと。当然音源もいいんです。けど、確実に音源超えてくるんです。アレンジする曲は当然しても、アレンジしない曲も、音源では一切味わえないものがある。それはテクニック的なものもそうだしその日ごとのグルーブもだと思うけれど、私が個人的に感じるのは他バンドではなかなか感じることができない圧倒的な音楽的フィジカル能力の高さ。演奏の回数を重ねることでしか成し得ない圧倒的な音楽筋がぱつんぱつんなんですよ。重ねた試行回数分だけ増すその筋力が、世に送り出した時点の音源からさらに進化して、今が1番最高!にさせるのだと思います。まあこのフィジカル理論、私が勝手に感じて考えてるものなので(笑)。どの分野においてもセンスなどだけでなく「フィジカルの強さ」(すごーく雑にいうと努力の跡みたいなもの)を感じるものに惹かれるのです。

筋肉は裏切らないみたいな話になってきましたのでもうやめましょう(笑)

それではまた!

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